バンドに例えると
この数年の自分の状況をバンドに例えてまとめてみた。
バンドメンバー

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ボーカル&ギター:私
ギター&ボーカル:上司
ベース&コーラス、ドラム&コーラス:学生
プロデューサー:ボス
マネージャー: 一番下っ端のスタッフ
バンドの活動
ボーカルはこのバンドに入る。
給料は少なく、ボーナスもなかった。
それでも、ボーカルはバンドで歌えることがうれしかったし、曲作りも楽しかった。
プロデューサーはこのバンドの方向性を全く示さなかったので、ギターが方向性を決めるしかなかった。
プロデューサーは、バンドの状況には全く興味を示さず、レコード会社やバンドの所属する事務所の外交しか行わなかった。
プロデューサーはバンドの力も考慮せずどんどん仕事を取り続けていた。
ギターは自分で仕事も取っていた。
ボーカルも自分で少し仕事を取ってきていた。
マネージャーは何も仕事をしなかったしできなかったので、プロデューサーもマネージャーに全く仕事を与えず(させようとせず)、マネージャーの仕事はギターが主にやっていて、ボーカルも一部請け負っていた。
それでも、マネージャーはバンドの担当の在籍期間が長いというだけで、ギターやボーカルよりも高い給料をもらっていた。
曲作り
ギターはこのバンドでほぼ全ての曲の作詞作曲をし、曲はヒット曲を連発していた。
ボーカルは作詞作曲も担当する。
ギターが曲のイメージを詳細に伝え、ボーカルがベースやドラムと協力してその通りに作詞作曲をし、ギターが歌詞の修正・編曲をした。
それらの曲もヒットした。
ベースやドラムは定期的に入れ替わるため、その度にギターは、ベースやドラムを指導して、ボーカルが演奏の基礎を教えた。
ベースやドラムは楽器が上達する。
サウンドを録音する時は、ギターが全て指示。
ベースやドラムが弾けない箇所は、ボーカルやギターが代わりに弾いてサウンドを作る。
ギターの指示でボーカルが詳細なところまでサウンドを作ることもあった。
最終的な曲の完成はギターが一人でこなした。
ボーカルは仕事量が多すぎて、作詞作曲、サウンド作りも遅れることもあり、細かいミスもあった。
ギターは、曲作り含め、バンドのテレビ出演やライブの構成などもほぼ一人で行っていたので、仕事量が多すぎて機嫌が悪いこともあり、ボーカル、ベース、ドラムにあたることもあった。
ボーカル、ベース、ドラムは、自分たちがこれまでスキルを伸ばしたり、仕事をこなせるようになったのはギターのおかげだと思っていたので、不満はそんなに抱かず我慢できた。
むしろ、プロデューサーがもう少し仕事についての方向性を示してくれたり、仕事量の調整、曲作りなども教えてくれたらいいのにと不満を抱く。

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メンバーの加入
ある日、プロデューサーは新しいメンバーを勝手に入れるが、その育成は全てギターとボーカル任せ。
ある新しいメンバーは壊滅的に音楽の才能がなかったため、ボーカルはプロデューサーに何度か相談するが、結局なにも変わらず。
新しいメンバーはバンドをかき回して、最終的に、プロデューサーは新しいメンバーをバンド卒業という形にする。
また、別のある新しいメンバーは、自分が楽器をうまく弾けないことをボーカルとギターの教え方が悪いせいにした。
その新しいメンバーは、バンドの練習にもドタキャンで休んだり、作りかけの曲のデータを誤ってなくしたりした。
そのことに、ボーカルとギターは怒ったが、プロデューサーは、ボーカルとギターの指導のせいにして、その新しいメンバーは体調不良を理由にバンドを卒業した。
そんな出来事もあり、ボーカルとギターはプロデューサーに対する不信感が募っていく。
ギターとボーカルの体調
ギターは仕事過多のため腱鞘炎になったが、それでも弾き続けた。
ボーカルは喉を酷使せざるを得ず、ついに喉を痛めたが、それでも歌い続けた。
これまでのバンドメンバーが残していた曲作りの引継ぎを任されていたボーカルは、原曲を基に残りの曲を完成できるように作り続けた。
しかし、その過程で、ギターがその曲のミスに気付く。
それは元のバンドメンバーの時からの間違いで、それを基にした曲の構成もダメだったようだ。
元のバンドメンバーが曲作りしていた時は、ギターもほぼスルーしていた。
しかし、そのミスを気づけなかったボーカルのせいにされる。
ボーカルも元のバンドメンバーにその部分について確認はしていたが、ギターからの指摘もないので大丈夫だということになっていた。
ボーカルは曲作りを全部やり直しさせられる。
ライブの後に、他のバンドメンバーもいる前で、ボーカルはギターから曲作りのミスを叱責される。
ボーカルは出来事を説明するが、元のバンドメンバーのせいにするなとさらに叱責される。
ボーカルは元のバンドメンバーのせいには一言もしておらず、実は、元のバンドメンバーともその曲作りの際のミスについて、状況確認の共有もしてた。
元のベンドメンバーも他のメンバーから曲作りを教えてもらっていたため、その曲作りの作業方法が間違っていたとは知らなかった。
プロデューサーは、バンドのメンバー、他のバンドやそのプロデューサー、レコード会社やバンドの事務所に、ボーカルは音楽(歌)が嫌い、やる気がない、何も音楽活動していないと風評していた。
一緒にライブをしたことがある他のバンドメンバー達は、ボーカルは音楽好きで知られていた。
ボーカルが曲作り、ライブ活動にも熱心なことも周りは知っていた。
ギターの移籍

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そして、ギターは今のバンドよりはるかに売れているバンドに引き抜かれる。
これまでの曲も全て持って行った。
そのころ、ボーカルはプロデューサーから、バンドでのボーカルの契約を更新しないことを告げられる。
ボーカルとベースはギターから別のバンドに行くと聞かされた。
しかし、プロデューサーからバンド全体にギターが移籍する話はなく、ギターが辞める1カ月前に全体に告げた。
ギターが辞める数カ月前から、プロデューサーのギターの扱いは悪く、今までヒット曲を作ってきた功績を称賛することもなかった。
ギターの機嫌はさらに悪くなる。
ギターが辞める前に、ボーカルは曲作りに関してギターと話し合ったが、その際に、お前は何もやってないように見える、忙しそうに見えるだけだと叱責する。
新しいギターの加入
プロデューサーは新しい優秀なギターを入れると言って、新しいギターを入れた。
しかし、新しいギターは作詞作曲の基礎も怪しく、これまでのバンドの曲調と全く異なる曲を作ろうとする。
ボーカル、ベース、ドラムは、プロデューサーからバンドの方向性も示されず、この後どの仕事が入るのかも全く説明されなかった。
もちろん、新しいギターもバンド事情も良く分かっておらず、ボーカル、ベース、ドラムと積極的にコミュニケーションも取らなかった。
新しいギターに対して、ボーカルやベースのメンバーはこれまでのバンドの曲作りの方向性やメンバーの技術指導について説明した。
しかし、新しいギターの行動に改善は見られず、曲作りの基礎も知らないドラムやサポートメンバーも曲作りをさせられた。
また、ギターが指示する曲作りは、間違った音楽の基礎に基づいているため(全く新しい音楽を生み出すのとは異なる、単なる知識不足)、バンドのメンバーは戸惑った。
ベースは、プロデューサーに新しいギターについて無茶苦茶な音楽をさせられると相談するが、新しいギターは音楽のバックグラウンドが異なるため違いがあってもしょうがないと言って、ベースの相談をスルーし、何も対策はされなかった。
ボーカルは作詞作曲を作り続け、ベース、ドラムと一緒に曲を作り続けた。
ボーカルは辞めたギターに頼まれていた曲作りなどに関しての連絡を取ったりしていたが、殆ど返信がなかった。
ボーカルは、プロデューサーにこれまでの曲作りやサウンド作成などの仕事内容を全て報告した。
しかし、共同制作の他のバンド、バンドの事務所やレコード会社などの仕事相手に伝えられることはなかった。
契約終了
それからボーカルは契約終了日を迎えた。

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プロデューサーはバンドにボーカルの契約終了を伝えなかった。
その後、バンドが発表した曲にボーカルが関わった痕跡は一切残されなかった。
これまでボーカルがバンドに関わった曲作りに関しては何もしていないことにされた。
ボーカルは、一緒に曲を制作したことある他のバンドメンバーから、おまえにも悪いところがあると責められた。
そのバンドメンバーから、根拠なく、ギターやプロデューサーはおまえのこと良く思っていないなどの趣旨の発言もされる。
ボーカルは活動場所もなくなった。
一人で曲を作り続けている。
その活動休止中の間に喉は治った。

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その後ボーカルは再び歌える日が来るのか、それとも・・・
まだ未来は誰にもわからない。
終わりに
「99.9-刑事専門弁護士」の主人公の言葉に、
“事実は一つだけだから”
とある。
そう、起きた事実は一つだ。
何もなかったことにされても、責任を押し付けられても、起きた事実は一つしかない。
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